【G検定対策】人工知能のおおまかな分類

ディープラーニング協会のG検定などでよく問われる人工知能のおおまかな分類をまとめていきたいと思います。人工知能の分類方法はいろんな切り口があります。それぞれの分類を紹介していきます。人工知能に関してどんな分類があったかを素早く把握したいときにおすすめです。ぜひご覧ください。G検定のシラバスを知りたい方はこちら

人工知能のレベル分け

人工知能はできることに応じて、レベル分けがされています。以下がレベル分けのまとめになります。

レベル1シンプルな制御プログラム全ての振る舞いがあらかじめ決められている。ルールベースで動く
レベル2古典的な人工知能探索・推論、知識データを利用して状況に応じて複雑な振る舞いをする
レベル3機械学習を取り入れた人工知能非常に多くのサンプルデータから入出力関係を学習
レベル4ディープラーニングを取り入れた人工知能特徴量による学習

強いAIと弱いAI

AI(人工知能)の研究分野には、強いAIと弱いAIという二つの概念が存在します。これらの用語は、AIが持つ能力と目指す目標を示しています。

弱いAI

弱いAIは特定のタスクを遂行するために設計されたAIを指します。弱いAIは通常、単一の問題解決能力や特定のタスクを実行する能力に特化しています。例えば、チェスのAIプログラムや自動運転車、音声認識システムなどがあります。これらのシステムは、人間のように理解や意識を持つことはありません。ただし、特定のタスクにおいては、人間を超える能力を持つことがあります。

強いAI

一方、強いAIは人間のような認識能力を持つAIを指します。つまり、自己意識、感情、意志、認識、学習、適応など、人間が持つすべての能力を模倣または理解する能力を持つAIを意味します。強いAIは仮説的な存在であり、現在のところ、完全な形での実現はなされていません。

強いAIと弱いAIの主な違いは、弱いAIは「行動するかのように」プログラムされていますが、強いAIは「本当に理解する」ことを目指している点にあります。

AIブーム

AIの歴史は一般的には第1次AIブーム、第2次AIブーム、第3次AIブームの3つのフェーズに分けて考えられます。それぞれのブームは、研究の方向性、技術進歩、および期待と現実とのギャップによって特徴付けられます。

第1次AIブーム (1950年代 – 1970年代初頭)

この時期はAIの黎明期ともいえる時期で、AIという概念が初めて提唱され、研究が始まった時期です。当時はロジックを用いた推論システムや、自然言語処理の初期の取り組みが行われました。この期間は初期の楽観論が広まり、AIが人間のような思考を行うといった期待が高まりました。しかし、予想以上にAIの開発は難しく、その後の資金不足や技術的な難しさから、「AIの冬」が訪れました。

第2次AIブーム (1980年代 – 1990年代初頭)

この時期はエキスパートシステムと呼ばれる知識ベースのAIがブームとなりました。エキスパートシステムは特定の専門知識をコンピュータに組み込み、専門家のような判断を行わせるシステムで、多くの商用化例が生まれました。

有名なエキスパートシステムはMYCIN(マイシン)です。1970年代初めにスタンフォード大学で開発されました。マイシンは感染症の専門医の代わりに診断を下すことが期待されたシステムです。マイシンは伝染性の血液疾患の患者を診断し、抗生物質を処方するようにデザインされています。

500のルールが用意されていて、質問に順番に答えていくと、感染した細菌を特定し、それに合った抗生物質を処方することができるようになっています。

しかし、マイシンのようなエキスパートシステムは高価でメンテナンスが難しく、汎用性が低いという課題がありました。また、その時期のハードウェアの限界やエキスパートシステムの限界から、再びAIの冬が訪れました。

第3次AIブーム (2010年代 – 現在)

これは現在進行中のAIブームで、主にディープラーニングやニューラルネットワークといった技術の進歩によって引き起こされています。大量のデータと計算能力の向上、ニューラルネットワークの進歩により、画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で人間を超える性能を示すシステムが登場しています。現在のAIブームは、AIが我々の日常生活やビジネス、社会全体に大きな影響を与える可能性を秘めています。

それぞれのブームは、その時代の技術的な進歩と社会的な状況を反映しています。また、各ブームの間にはいわゆる「AIの冬」と呼ばれる期間があり、これは技術的な進歩が期待に追いつかないことや資金調達の問題などによってAIの研究が停滞した期間を指します。しかし、これらの困難を乗り越えてAIの研究は進み、現在では我々の生活の多くの部分にAIが利用されるようになっています。