G検定の要点をまとめていきます。今回は人工知能とは何かという点についてまとめていきます。
人工知能とは
人工知能は、コンピュータを使って人間と同じように学習、推論、認識、判断などの知的な処理を行うシステムを設計または実現する研究分野です。「知性」や「知能」の定義が固定されていないため、人工知能の具体的な定義もまだ専門家間で合意が得られていません。
同じシステムでも、それが人工知能だと見なす人とそうでないと見なす人が存在します。また、「人間と同じ知的な処理能力を持つ機械」という表現は、その解釈が人によって異なる可能性があるということを意味します。
人工知能の概念が初めて提唱されたのは1956年のダートマス会議で、これは初の電子計算機であるENIAC(エニアック)の登場から約10年後のことでした。

アーサー・サミュエルは機械学習を、「明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピュータに与える」という研究分野と定義しています。
人工知能の定義
国内の有識者は人工知能に関して以下のように定義しています。
研究者 | 所属 | 定義 |
---|---|---|
中島秀之 | 公立はこだて未来大学 | 人工的につくられた、知識を持つ実態。あるいはそれをつくろうとすることによって知識自体を研究する分野である。 |
武田英明 | 国立情報学研究所 | 人工的につくられた、知識を持つ実態。あるいはそれをつくろうとすることによって知識自体を研究する分野である。 |
西田豊明 | 京都大学 | 「知識を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である |
溝口理一郎 | 北陸先端科学技術大学院 | 人工的につくった知的な振る舞いをするためのもの(システム)である |
長尾真 | 京都大学 | 人間の頭脳活動を極限までシュミレートするシステムである |
堀浩一 | 東京大学 | 人工的に作る新しい知識の世界である |
浅田稔 | 大阪大学 | 知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない |
松原仁 | 公立はこだて未来大学 | 究極には人間と区別がつかない人工的な知能のこと |
池上高志 | 東京大学 | 自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法則に関係なく、あるいは逆らって、人工的に作り出せるシステム |
山口高平 | 慶應義塾大学 | 人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム |
栗原聡 | 電気通信大学 | 人工的につくられる知能であるが、その知能のレベルは人を超えているものを想像している |
山川宏 | ドワンゴ人工知能研究所 | 計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工知能と呼んで良いのではないかと思う |
松尾豊 | 東京大学 | 人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれを作る技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中からと特徴量を生成し、現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である |
人工知能(AI)は、大まかに「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と説明されていますが、その定義は研究者によって異なっている状況です。その理由としては、「そもそも『知性』や『知能』自体の定義が存在しない」ことから、人工的な知能を定義することが難しいという事情が挙げられます。
人工知能のおおまかな分類
人工知能はできることに応じて、レベル分けがされています。
レベル1 | シンプルな制御プログラム | 全ての振る舞いがあらかじめ決められている。ルールベースで動く |
レベル2 | 古典的な人工知能 | 探索・推論、知識データを利用して状況に応じて複雑な振る舞いをする |
レベル3 | 機械学習を取り入れた人工知能 | 非常に多くのサンプルデータから入出力関係を学習 |
レベル4 | ディープラーニングを取り入れた人工知能 | 特徴量による学習 |