誤差逆伝播法とは

誤差逆伝播法(Backpropagation)は、ニューラルネットワークの学習において重要な役割を果たすアルゴリズムです。ニューラルネットワークは基本的には多数のパラメータ(重みとバイアス)で構成され、それらのパラメータの最適な値を求めることが目的です。

以下に、誤差逆伝播法の基本的なプロセスを説明します。

順伝播(Forward Propagation)

初期のパラメータ(ランダムに設定されることが多い)を用いて、入力データをネットワークの各層を通して伝播させ、最終的な出力(予測)を得ます。

誤差計算

予測と目標となる真の値(ラベル)との間の誤差(一般には損失関数によって定義されます)を計算します。

逆伝播(Backpropagation)

この誤差を、出力層から入力層に向かって逆方向に伝播させます。この過程で、各パラメータが最終的な誤差にどれだけ貢献したかを計算します。これは、損失関数の勾配(つまり、パラメータに対する損失の微分)を計算することに相当します。

パラメータ更新

勾配降下法(またはその派生形)を用いて、各パラメータを更新します。これは、計算された勾配に学習率(一種のスケーリング因子)を乗じて、現在のパラメータ値から引くことで行われます。これにより、損失が最小となる方向にパラメータが少しずつ移動します。

これらのステップをデータセット全体、または一部(ミニバッチ)に対して繰り返すことで、ネットワークは最終的にデータをうまく表現するパラメータを学習します。これがニューラルネットワークの学習の基本的なフレームワークであり、誤差逆伝播法はその核心的な部分を占めています。